食後高血糖は膵臓がんの発症に関わっている

食後の高血糖もがんの発症のリスクを高めるということをご存じですか?
その中でも膵臓ガンの発症に深く関わっている可能性があるとも言われています。

 

 

実際に日本の成人男女のおよそ3万5千人を対象とした大規模な研究調査が行われ、膵臓ガンの死亡率と食後の高血糖との間に強い関係が認められています。
この研究では、血糖値121mg未満に保たれた人と比べて、200mgを上回った方の膵臓ガンの発症リスクが、実に2倍以上も高くなったのです。

 

 

このことは女性よりも、男性で顕著にみられ、食後高血糖が膵臓ガンの発症のリスクを高めるということは、世界各国のの研究でも認められているんですね。

 

 

例えば、韓国の研究では空腹時血糖値140mg以上になると、男女共に悪性腫瘍の発症の危険性が高まるという報告があり、特に膵臓がんは男女とも著しく、その他には肝臓、食道、直腸、結腸、子宮頸部の危険性が高くなっています。

 

 

また、アメリカの研究報告によると、糖尿病での高血糖によって発症率が高まる悪性腫瘍には、膵臓がんをはじめ、大腸、前立腺、肝臓、乳がん、子宮体癌などがあります。

 

 

では、何故、高血糖が発癌の危険性を高めてしまうのでしょうか?
考えれれるのは、高血糖によって活性酸素が発生し、酸化ストレスが増加するからと思われます。

 

 

酸化ストレスというのは、体内の酸化反応と抗酸化反応のバランスが崩れて酸化反応が勝った状態のことを言います。
これは高血糖や喫煙、活性酸素等などが、酸化ストレスを増加させることが既に分かっています。

 

 

特にがん細胞は、正常細胞の遺伝子が傷つくことによって生まれますが、その原因となるのは活性酸素で、酸化力が強く全ての細胞を酸化させてサビらせ、傷つけてしまうのです。
これにより、細胞のDNA障害が生じ、発癌の危険性が高くなる可能性があります。

 

 

しかし、私たちの体内では、三千から五千個もの新しい細胞が日々出現していますが、それがすぐにがん細胞になるわけではありません。
それは私たちの体の免疫システムが、増殖して進行がんとなるのを防いでくれているからです。その為、免疫力が落ちれば、癌細胞が分裂、増殖を繰り返すようになります。

 

 

また、人間の細胞内にあるミトコンドリアの最大の役割は、酸素を取り入れてエネルギーを生成することですが、糖質が原料にならず、酸素の燃焼という形でエネルギーを生み出します。

 

 

通常は、食べた物が体を動かしたり体温を保ったりするエネルギーになると考えられていますが、健康で若い頃は確かにその通りで、糖質の分解によってエネルギ―が作られるので、使う分だけの糖質を摂ることも必要でしょう。

 

 

ですが、歳をとれば毎回の食事で摂るほどの糖質は必要としません。
更に持続して動かさなければいけない脳や心臓などの細胞は年齢に関係なく、主にミトコンドリア系からエネルギーの供給を受けますが、その為には多くの酸素を取り入れて原料とします。

 

 

ですが糖を多く摂取すれば、糖の代謝に邪魔をされ、ミトコンドリアが支障をきたし、取り込んでいた大量の酸素が活性酸素に変わってしまうのです。

 

 

いずれにしても、がん細胞の増殖を防ぐには免疫力を落とさないことはもちろんですが、体内をがん細胞が喜ぶような環境にしないことです。
その為には、癌細胞の栄養源となる糖質を必要以上に摂取することを控えるべきです。

 

 

そうすれば活性酸素の発生も減らせ、細胞の遺伝子を傷つけることも少なくなり、膵臓がんなどの再発や予防、改善、延命にも繋がるでしょう。

 

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