牛乳や乳製品とがんの関係

牛乳や乳製品とがんの関係をご存じですか?
特に乳がんの方は、牛乳や乳製品を摂取してはいけないという考えは根強くありますね。

 

 

これは牛乳に含まれる動物性脂肪や女性ホルモンが、乳がんを悪化させる可能性があるからでしょう。
その為、乳製品を全く摂らないという患者さんも多いものです。

 

 

ところが疫学研究などの結果などを調べてみると、乳製品が乳がんを促進することはない、もしくは予防するということも示唆されており、その有効性は複雑です。

 

 

例えば、ある研究では、乳製品の摂取量が多い人は少ない人に比べて、乳がんのリスクが0.85低下することが報告されているんですね。
但し、牛乳だけの摂取量では統計的に差が認められておらず、高脂肪のものよりも低脂肪の製品の方が予防効果が高い傾向があるようです。

 

 

一方、前立腺がんは、牛乳や乳製品ががんの発生や増殖を促すことが、多くの研究で示されています。
また、がんを促進させるのは糖質(ブドウ糖)の摂り過ぎが乳がん・大腸がんを引き起こすことは再三述べてきましたが、糖質と乳製品を一緒に摂ることは、より一層その効果を高めてしまうので注意が必要です。

 

 

その理由は、乳製品に多く含まれているロイシンというアミノ酸と糖質を同時に摂取すると、mTORC1というがん細胞の増殖シグナルが活性化されてしまうからです。
このような乳製品と糖質の組み合わせとしては、パンやコンフレーク、チーズバーガー、ピザ、ご飯とチーズを組み合わせたドリアなどがありますね

 

 

こうした食事はがんの治療や予防から見ても、最悪の組み合わせと言えるかもしれません。
いずれにしても、綜合的に考えてみると、牛乳や乳製品は良質のタンパク質やカルシウムなどのミネラルなど栄養が豊富な動物性食品ですが、がんの治療の面から考えれば、必ずしも良いとはいえません。

 

 

何故なら、がん細胞の成長にも役立つてしまうからです。
実際に牛乳を飲むとインスリン様成長因子1(IGF-1)が増えることが多くの臨床試験などでも確認されており、これは細胞分裂や細胞の成長を促進し、正常な成長や健康の維持に役立ちます。
(※インシュリン様成長因子1(IGF-1)は、子供の成長に必要な様々な栄養がが含まれている母乳の中の成分のひとつです。)

 

 

ですが、一方でIGF-1は、癌の発生や進行を促進することも知られており、そうしたことからもがん患者さんにとって、糖質はもちろん、成長に役立つ牛乳や乳製品の摂取は良くないと言えるかもしれません。

 

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