癌の治療費が払えない
癌になると入院や手術など、多額の費用がかる印象があります。
特に高額医療を選らぶと、癌の治療費が払えないなんてことも、良く聞きます。
保険適用の治療であれば、自己負担額が一定額を上回ったときには還付が受けられる「高額療養費制度」などの公的補助があります。
そのため、自己負担はある程度抑えることができます。
一方、そうした補助の対象とならないのが保険適用外の自由診療です。
これで命が助かるならと、高額費用をな全額自己負担で支払う人もいますが、期待した結果が得られるとは限りません。
実は私の友人の父親が悪性リンパ腫を患っていて、転移もあって、末期でした。
抗がん剤治療はつらそうでしたので、自分の免疫細胞を活性化させ、癌を攻撃させると謳うクリニックで、100万円以上の費用を払って治療を受けたのです。
ですが、がんは小さくなることはなく、亡くなったそうです。今考えたら、最後の日々をもっと穏やかに過ごす選択肢もあったと悔やんでいると言っていました。
免疫療法というと「オブジーボ」が思い浮かぶ人もいるかもしれません。こちらはメラノーマ(皮膚がん)など複数のがんで効果が証明されており、保険が適用されるので全くの別物です。
国立がん研究センターが運営するサイト「がん情報サービスも一部の民間のクリニックにおいて、自由診療として行われる免疫療法は、効果が証明されておらず、医療として確立されていないようです。
効果があるのかわからない治療に大金を注ぎ込めば、患者や家族にとって悲劇になりかねません。自由診療の選択には慎重さが必要でしょう。
また、未承認の抗がん剤なども100万円単位の自己負担が必要になることもあります。
海外の臨床試験で効果が証明されているのに日本では未承認という薬であれば、科学的根拠のない治療と違って、効果が期待できるものだと言えます。
しかし、そうした薬を使うには高額な自己負担が必要だし、新しい薬だからといって全ての人に必ず効くくわけではありません。
どんな選択をするかは個人の判断ですが、信用できる主治医と相談しながら、どこまでお金を払うのかを考えていくことが必要でしょう。